ジョンヒョンの死

長いです。目汚し失礼します。

※2018年2月12日※
修正や追記を加えました。 読みやすくなっていればと思います。 追記部分は色を変えています。

私が好きなK-popアイドル、SHINeeのキムジョンヒョンさんが2017年12月18日に、亡くなりました。自殺でした。
私はK-popの中でもSHINeeが大好きで、中でも特別推していたのがジョンヒョンです。
好きになった経緯は長いので省略します。

ジョンは鬱病でした。
死ぬ直前にも、家族に「鬱が辛い」と言っていたようです。

私も、同じ鬱病を抱えています。
(私は厳密に言うと「躁うつ病」です。のちほど説明します)

同じ病気を持つ人間として、“自殺”というのは、あまりにも身近なものであって、他人事のように思えません。
また、自分に影響を及ぼした人の「死」というのが初めてであり、なおのこと感情移入してしまい、ジョンの死を未だに受け入れられずにいます。

今日は鬱病について知ってほしくて書きます。

人は誰しも悩みや不安を抱えるものです。
それが原因で体調不良になったり機嫌が悪いことだってあります。それが普通です。
でも鬱病はそうはいきません。

悩みや不安は誰に対するでもない、自分への憎しみや、怒り、憤り、焦り、醜い思いへ変わります。闘っている相手は自分です。自分が愚かであるが故に、自分自身に手を出してしまうことが多い病気です。

「頑張れ」って言って治るものなら、最初から頑張っています。
「元気になってね」と言われて、元気になれるなら、みんなに言ってもらえるようにするでしょう。
簡単に、言葉にしないでほしいです。

※ここから先に【黒い犬】という話が出てきます。海外では有名な鬱病の話ですが、わかりづらい部分があるため、私なりに別解釈してみました。意訳ですがご了承ください※

鬱になると、心の中に黒い犬が現れます。その黒い犬は、自分自身の中で吠え続けます。反応がないと、段々と大きくなり、その吠える声が大きくなればなるほど、黒い犬は私自身むしばんでいきます。
ジョンは、いつからかタトゥーを頻繁に入れ始め、その中にも黒い犬をファンに見える部分に彫りました。
それは、彼のSOSだったんだと、亡くなってから気がつきました。

※追記※
参考までに、ジョンヒョンのタトゥーの画像を貼ります。

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鬱病は、難しいです。
他人に頼りたいけれど、頼ってもどうにもならない病気です。
何かしてほしいわけじゃなく、単純に「側にいてほしい」だけだったり、「愛してほしい」だけだったり、人それぞれ形は異なります。
でも、唯一言えるのは、「他人がいるただそれだけでは鬱病は救えない」ということです。

黒い犬は、他人には見えないからです。
朝起きた時、仕事の休憩中、帰りの電車、お風呂の中、寝る前…どこにいてなにをしていても黒い犬はずっと私自身の中で吠え続けます。
うるさくてうるさくてとても耐えられるものではありません。

したがって、精神科に行くのは、吠える声を出来るだけ聞こえなくしましょうね、というお守りやお祓いを与えてくれるだけなのです。

鬱病は多種多様なものなので、お守りやお祓いをしてくれれば、黒い犬がどこかへ消えていくこともあります。
しかしながら、お守りやお祓いをしてもらっても、黒い犬は頑固で意地っ張りなので、吠え続け、それに負けないように病院の処方も強くなり、黒い犬ももっと吠えるようになり…という悪循環が生まれてしまいます。

そうしているうちに、黒い犬に耐えきれなくなった時、黒い犬を殺して消してしまおうとします。その黒い犬は“自分自身”であり、結果、薬の大量摂取や自殺へと追い込まれてしまうのです。

ジョンヒョンのことが私には他人事とは到底思えず、こうして知ってほしくて書きました。

私の場合、上述のように「鬱」ではなく「躁うつ」というものです。元気な時は人より何倍も激しく行動的で、うるさく、時に怒りっぽくなったり買い物をしすぎたり過食になったりします。
人には心の波長が誰しも存在しますが、その波長が大きすぎて津波のようになってしまうのです。

元気な時は、黒い犬もとてもいい子にしています。散歩に行こう!と言ったり、これを買おう!お腹すいた!とわがままを言います。
しかし突然、ある日黒い犬は機嫌を悪くし吠え始めます。理由はわかりません。躁うつ病はそういう病気なのです。

私は、ジョンが死んでしまった時、ちょうど鬱期に入ったばかりでした。
仕事もお休みになり、一人でやるべきことをこなさなければならないことが多く、黒い犬はどんどん吠えていたときのことでした。

ジョンは、練炭自殺でした。

韓国の警察やニュース報道によると、ベッドの近くで石炭を使い、嘔吐した後が見られ、心肺停止で運ばれましたが、病院で看取られたということでした。

ジョンがなぜ練炭を選んだか、そしてなぜ「死」を選んだのかは、彼にしかわかりません。しかし、何度も言っているように、私も同じ黒い犬を飼っている人間として、「死」を選んだことは間違っているとは思えませんでした。

間違ってるとは思わなかった私でしたが、何日も何日も涙が止まりませんでした。
人といる時はぐっと堪えていましたが、一人になると、ジョンヒョンのことばかり考えて、つらくて、苦しくて、もうあの人の優しくて力強い歌声と元気でくしゃっとした笑顔が見られないんだと思っただけで、泣いていました。それはそれは本当に悲しくて、毎日声をあげて泣きました。
もちろん、今でも整理がつかず、こうしている間にも涙が目一杯溢れそうになります。

そうした中で気がついたのは、「死」についてと「鬱」についてです。

自殺をする人は半数以上鬱病だと言われています。鬱と死は紐づけられているものだと私自身思います。

私の意見を端的に述べますと、決して「死」を選ぶことは悪いことではないと思っています。
なぜなら、その人自身の黒い犬と精一杯闘った証でもあるからです。
それで救われるなら、それを望むなら、その方法もありだと私は考えます。

ですから、簡単に「死んじゃダメだ」とか言わないでほしいです。
逆もそうで、「死ぬ気でやってみろ」だなんて、もってのほかです。
死んでしまいます。
だって、死ぬ方が楽ですから、、、

近くに鬱病躁うつ病かかっている人、そうなりやすそうな人、(メンヘラちゃんかまってちゃんナドナド…)、
そういう人には、


「そっとしておく(放置ではない)」

ことが一番適切です。

「大丈夫だよ」

の一言があるだけで、120%救われます。
大抵の病気の人は、たいがい、「大丈夫だよ」というと⇒「私のことなんてなにもわからないくせに」と言うでしょう。
でもそれでいいんです。

そういう言い方をしたのであれば、「そうだね、わからない」でいいです。
内心、「大丈夫だよ」の時点で120%は救われています。黒い犬がいると、いつ吠えられるかわからないので、感情を表に出すことが難しくて、つい、そんな態度をとりがちです。
ただ、それでもそばにいてあげて、LINEやTwitterなどで繋がっていてあげてください。
それだけで、黒い犬は監視されてると思い、吠える声も小さくなるのです。

ジョンヒョンが旅立った哀しみは拭うことがまだ出来ませんが、彼が残した作品、そして彼の言葉、なにより彼の最期はとても彼らしいと私は思います。

「理解するより認めよう」

これは、ジョンヒョンが残した言葉の1つです。
彼はよくこの言葉を口にしていました。意味は、相手・物事を考えて納得するよりも、まずその現実を受け止めよう。という意味です。

私は、ジョンヒョンの死を「理解するより認め」ています。
もがき苦しみ、苦悩に耐え続けたジョンの辛さは、きっと誰にも理解できないと思うからです。
だから私は、ジョンヒョンが選んだ死を、許してあげて、責めないでほしいと強く思います。

幸いにも、彼はファンにとても愛され、「お疲れ様、ジョンヒョン」という言葉を皆、口にしています。
それは、彼の苦悩を理解しようとはせず、死を認めるということではないのでしょうか。

理解できないので、悲しみは消えません。
心にぽっかり穴が空いてしまって、彼の文字、言葉、画像、動画を見るたび涙が止まりません。
でも、彼の「死」を、無駄にしないよう、少しでも鬱病に理解のあるよう、この文章を書きました。

ほんの少しでもいいです。
「大丈夫」
その一言でいいです。

なんなら、声をかけなくてもいい。

そばにいるだけでいい。

ひとりにさせないであげてください。
一人が一番危険で、大変です。

どうか、鬱病躁うつ病のことをわかってもらえますように。

p.s. ジョンヒョンの訃報を知ってすぐにリプライやLINEをくれた友達、母、とても感謝しています、 そういう人が私を鬱から救ってくれる存在なのです。
とくに、SHINeeを通じて知り合った大切で大事な友達♂。1つ上なので韓国語でお兄さんという意味の「オッパ」と呼んでいます。彼もまた、とても悲しい現実と戦いながら、仕事をこなしています。

pray for jonghun...

あなたの声を
あなたのことを
一生涯忘れたりしないよ